世界遺産、モンサンミシェルの風景

大西洋に浮かぶ世界遺産

　　モンサンミシェル

　３日目は眠い目をこすりながらモンサンミッシェル観光のため、朝５時に起きて朝ご飯も食べれずに地下鉄に乗り込み、集合場所のシティラマという観光バス会社に向かいました。

　日本でいう「はとバス」みたいなところで当然現地フランスの会社なんですが、フロントもガイドも親切にも日本語の喋れるスタッフがいました。

日程	都　市	時間	交通	スケジュール	食
３日目	ノルマンディー地方モンサンミッシェルへ	終日	バス	モンサンミッシェル観光（7:00シティラマ社集合）	朝昼夜

　しかし都内を回るような近場ではなく、距離で言うと軽ーく２５０キロを超えます。ちょうど東京と名古屋ぐらい。しかもノルマンディー地方は「超」のつく田舎らしくて高速道路も一部まで。鉄道も時間の不正確なフランス国鉄と、途中までしかきていないTGV（フランスの新幹線）の乗り継ぎでのみ可能と普通のツアーではまずスケジュールにさえ入りません。「絶対に行きたい！」と思わない限り行くのに難しいところですが、世界遺産の書籍を読んでいて「生きているうちに一度は行こう」と思って現地ツアーに申し込んだのでした。

　当日はかなりどんよりと曇りがち。時折雨もパラつく微妙なコンディションでしたが、約５時間のバスの旅がゆっくり始まりました。高速でもないのになかなか道がよく、１５分おきぐらいに通る集落の間の直線道路を推定時速１１０キロほどで進んで行きます。どう見ても速度制限が６０キロと書いてあるように見えるのは気のせいか？早くつくことにこしたことはありませんので内緒にしておきます（笑）

　途中、洒落たプチホテルに寄り、ブランチをいただきました。

　取り分けてくれるお兄さんはなかなか無愛想でしたが、料理はどれをとっても美味しい。日本にあるものと見た目は変わらないのに、パンや肉加工製品の質は明らかに上です。やはり水なのだろうか…。

　ブランチ後は日本語ガイドさんのモンサンミッシェルの歴史説明を聞きながら…２時間ほど走った頃でしょうか、よいよ遠ぉぉぉぉぉくのほうにかすかな「影」が見えてきました。

　近づくに従って不思議と感無量になって涙がこぼれてきました。今写真を見ても…不思議な場所ですね。

　２０分ほどではっきりと見えてきました。近づけば近づくほどその大きさと迫力は目を見張ります。しかもすごく観光地化しているかと思いきやまったく逆。遠巻きに数件のホテルがあるだけなのがすごく意外でした。

　近づいて撮影した全景。この時間が一番の干潮時刻だったので海面はなく、２０世紀初頭に造られた巡礼道が根元までハッキリ見えます。しかし季節と満潮が合致する大潮のとき、その差は最大で８メートルにもなる、地球上でもっとも満干が激しいところ。左の写真のようにバスの高さ以上のところまで海面になることもあります。

　ガイドブックの平面図より…分かりにくくもありますが、王の門から入って反時計回りに中心部に進んでいきます。左は王の門から頂上を見上げたところと伝統料理レストランラメールプラール。

　少し進んで自由塔からの眺め。眼下には堤防と駐車場。車がたくさんあるのですが、中はそんなに混んでいなかったです。遠くには砂浜の上を馬で渡る姿が見えます。優雅ですね。

　僧院見学入口。天候もありものすごい風が吹き荒れていました。急な階段を上ったあと、奥に受付と受付脇に出口があります。

　回廊を巡ったり、外に出たりと要塞であった歴史を物語ります。ロジアバーティオは縦長の景色の連続です。

　西のテラスからの眺めと修道院、そして回廊へと続きます。

　回廊の外窓はこんな風景。まさに空中庭園といった感じです。

　回廊を巡った後は食堂に。ロマネスク様式の質素な礼拝堂からゴシック様式の美しいアーチをも併せ持つ出口付近までのアプローチはなかなか見応えがありますね。

　見学が終わり、集合時間まで余裕があるので近くのレストランでノルマンディー地方のりんご酒「シードル」と、伝統料理のガレットノルマンドを注文。ガレットとは食事用のクレープのことをいい、ノルマンドはノルマンディー地方特産のそば粉を生地としたものにベーコンと茸を具にしたシンプルな料理。シードルと相性が良くて美味しかった。

　集合時間の少し前に全員集まったので、早々に出発しました。遠ざかるモンサンミシェルをずっと見ながらまたパリまで戻ります。バス中はほとんど爆睡。途中、食堂に立ち寄ってビュッフェスタイルの御飯。フランスはある程度の料金を払えば料理がおいしいのに助けられますね。その後、無事パリまで到着しましたが、終始天気には恵まれず、帰りも濡れて帰ってきました（泣）